今回お話は、想像力豊かな方やお食事中の方はお控えください🙇
「検便」には様々な思い出がある💩
「検便」は俗語で、正確にはこの3つのどれかになる:
(1)虫卵検査(回虫などの寄生虫の卵の有無を調べる)
(2)腸内細菌検査
(3)便潜血検査(大腸がんのスクリーニング検査)
今回は、(2)の腸内細菌検査で得た知見のお話です。
我々の腸内には様々な細菌が住んでいて、恩恵も迷惑ももたらしてくれる。
これら細菌を全て調べようと思ったら相当大変な手間がかかるので、通常は目的を絞って検査する。
最近は善玉菌と悪玉菌から病気のリスクを調べるのが流行だ。
私がやっていたのは腸管系病原菌…早い話が食中毒菌の検出だった。大腸菌やサルモネラ菌、赤痢菌だけが生える「培地」を使って「保菌者」を探し出す🧫
陽性者は1000人に1人くらい。多くはサルモネラ菌で、赤痢菌やパラチフス菌ともなるとかなりレア。出るとお祝いをしたくなるほどの騒ぎとなった🍻
検査対象者は食品を取り扱う人たちなど。
多くは会社でまとめて出してもらう。同じ会社の人たちの検体が並ぶ💩💩💩
と、翌日、生えてきた菌叢も同じようなものが並ぶことが多かった。
家族経営の会社も多いし、社食、給食など同じご飯を食べているから…と思っていた。
が、たまに…💧
きちんと取ってきた人のモノを仲間でシェアしてしまうことがあったらしい。
そして、そのようなことをしたときに限って、陽性が出るのだよ❗️
…結果、会社は休まざるを得なくなり、陽性が出た人たちは(本当は陰性でも)薬を飲むことになる。
検査には、自分のモノを出しましょう。
冗談ではなく(意外と)よくある話です。
道端に転がっている🐶の💩をいただくなど論外です(実際に聞いた話です)‼️
さて、病原菌はそれでも腸内にいるのはせいぜい2週間で、多くの人では無症状のまま通過してしまう。
無症状なのは、入ってきた菌の量にもよるが、我々が持っている「常在菌」のおかげもある。
腸内の常在菌は、我々が思っていた以上に我々の健康に関与している…ことが分かってきた。
同じものを食べても太る人や痩せている人がいるのも、食中毒菌に限らず発がん物質などの「毒」を食べてもへっちゃらな人がいるのも、常在菌のおかげ。
常在菌はさらに、ビタミンを作り出したり、脂質などの検査値や漢方薬の効き目に影響を及ぼしたりするらしい。
さらに常在菌とある種の病気には関連があるらしい。
腸内の常在菌は、私たちの健康の鍵を握っているのだ🗝️
…なら、なるべく優秀な常在菌を飼いたい…と思うのが人情というもの。
実際に、病的と言えるほどの悪い菌叢を持っている人には「移植」もされている(つまり他人の💩の入ったカプセルを内服するそうです)😳
が、普通の人は、良い常在菌が居着くよう腸内環境を整えるのが自分でできる最上のこと。
乳酸菌やビフィズス菌などは、乳酸、酢酸や酪酸などの短鎖脂肪酸を産生して腸内を酸性に保つ。乳酸や酢酸が腸管内を刺激して腸管の蠕動運動が活発になる。
ゴボウに含まれるイヌリンやオリゴ糖は腸内の有用菌を増やしてくれ、イヌリンは中性脂肪も減らしてくれる。
また、ストレスは自律神経を乱し、腸内環境を悪化させる。
虫垂(いわゆる「モウチョウ」)は今まで無用の長物と思われていたが、腸内細菌の調節を担っているとの説もある。
「良い菌」が住みやすくなるよう、ゴボウや発酵食品を食べ、ストレスを溜めないようにしましょう💃