導入の小話は以前に書いたことがあるけれど、ボケたわけではありません😉
日本人がこぞって海外旅行に行き始めた頃、「隣の芝生は青い」的な本が流行った。
「大人の国イギリスと子どもの国日本」とか「ゆとりの国イギリスと成金の国日本」みたいな。
いわゆる「アンチ本」も続出した。
つまり、これらの作者は外国でも上流階級の暮らしをしている。普通の庶民の暮らしを見ずに、違うレベルの生活を比べているにすぎない…と言うことだった。
確かに🧐
インターネットを使って誰もが発信できる現代と違って、当時、外国に住み、かつ執筆依頼が来るような人たちは、上流の奥方に限られたことだろう。
当時の日本では、そういうシンデレラ系外国生活のノンフィクションが好まれたし。
そんな中にあって、私のお気に入りは「ロンドンの生卵」という本だった(ここら辺まで、前に書いたかしら?)
フツーの中年男性が、確か会社を辞めてロンドンに移住し、苦労して生活を築き上げる話だった。労働者階級でも上流でもない日常生活の光景が、自分のことのようにワクワクと感じられた(ビンボー症なもので😄)
印象深かったのは、「ロンドンでは生卵を絶対に食べてはいけない。食べると必ずあたる」というくだりだ🪺
この本を読んで数年後、イギリスに行って実感した。
卵にあたったわけではなく🤮、出てくる卵料理全部…ゆで卵はもちろんのこと、目玉焼きまで…かた焼きだったのだ🍳
とろ〜り半生の卵料理などロンドンではあり得ない…らしい💧
さて、これからやっと本題です。
これは当時「職務上知ってしまった」真実‼️
イギリスのニワトリ🐓は卵巣の中にサルモネラ菌を持っていて、卵は感染した状態で、すなわち卵の中に菌を抱えて生まれてくるからだ🐣
しかも(全ての家庭ではないと思うが)彼らは、日本人のように何でも冷蔵庫に入れない。
バターや卵はキッチンに出しっぱなしだったりする。
菌は卵の内部にあるので、殻の外側を消毒しても菌は死なない。
室温に置かれた卵の内部で、菌は増える💧
生で食べるとほぼ100%あたるが、そもそも生卵を食べないので問題ではなかった。いや、そういう卵だから、伝統的に、徹底的に火を通すようになったのカモ🦆
いっぽう、日本伝統のニワトリは卵巣に菌を持っていなかったので、日本ではいつでもどこでも生卵を食べても大丈夫だった🪺
しかし、イギリスから原鶏を輸入するようになった。つまりサルモネラ菌も一緒に輸入した🐓
…ということで、日本でも安全ではなくなりつつあった(当時)。
しかし、そんなことTKGを諦める日本人ではなかった。
加熱せずに卵の内部を殺菌する方法を開発したのだった🤩
かつてコンビニ弁当などに入っていた生卵に「消毒済」と書いてあったのを覚えているだろうか?
日本にやって来る外国人が増えると、生卵や半熟卵の美味しさに目覚める外国人も増えてきて、今や日本の卵が輸出されているという。
(現在の日本製の卵はサルモネラ・フリーのようです。)
ちなみにサルモネラ菌はO抗原とH抗原の組合せにより、2000とも2500とも言われる血清型に分けられて、それぞれ、おそらく発見された場所に因んだ名前が付けられている。
サルモネラ・ロンドンとか、サルモネラ・ダービー、カリフォルニアやマイアミ、オスロもあった。確かサルモネラ・トウキョウもあったような。
これが楽しくて、サルモネラ(+)が出ると血清型の検査をいそいそやっていたっけ。
今度はどこのサルモネラが当たるだろ🎵…みたいな。
最近は、「卵ではないのにレンチンすると半熟卵状態になる食品」が流行っている🐥
何があっても私たちはとろ〜り卵が大好きなのだ💛