昭和初期の築地小学校の修学旅行の写真を見せてもらったことがある。
全員集合の写真だったようで、おびただしい数の生徒が写っていた。
…と、よく見ると、半数は大人だった。
父曰く、昔は親がついてきたんだよ…。
父の小学校の生徒のほとんどが、築地市場内外の商店の子供だった。
冷凍冷蔵庫のない当時、都民の台所である築地市場は元日以外は無休だったという。
今のように、休日に家族旅行などできなかった。
なので、子供の旅行や遠足を口実に、未就学児の子供がいるときはその子も連れて親が参加したという。当時20代の「ヤンママ」、旅行に飢えていたのだろう。
(写真を探したが行方不明だった。残念💧 見つかり次第追加掲載します。)
数年前までイギリス文化の同好会があって、私も会員だった。
四半世紀の間、毎年、2週間以上に及ぶ🇬🇧グランドツアーが催された。勤め人はそんなに休暇が取れなかったが、部分参加もできたので、現地で2日ほど合流したこともあった。
同好会の方、特に旅行に参加される方は無類の海外旅行好きだった。
が、私の覚えている限りでは、国内は旅行しない…という方も多かった。
国内旅行の延長線上に海外旅行があるわけでは決してないのだと思った。
旅行すなわち “未知の土地に対する好奇心” は、遺伝子を拡散させるため、新しい土地でより多くの食物を得るための生物の本能だと聞いたことがある。
その ”旅行本能” が容易に満たされる今、人々は旅行に「自分だけのもの」=「マイテーマ」を求めるのではないかと、私は思う。
若い頃、山登りばかりしていた父は晩年、温泉や植物を求めて旅をした。
「マイテーマ」は人の数だけ存在し得る。
お城やお寺⛩、お茶やグルメ🍱、テーマパークや動物園🐼、ゴルフや乗馬🐎、蚤の市やドラマの聖地巡り…人の数だけテーマはあり、クルーズ船や豪華列車🚂に乗ることや宿泊施設自体がテーマの旅行者もいる。
世界中のマラソン大会に出るのを楽しみとしている人もいた。
昭和初期のヤンママからすると、とてつもない贅沢かもしれない。
一見、国内外アトランダムに旅行している人も、話を聞くとなんらかの「拘り」があったりする。
私は、イギリスに何度も足を運んだ。
マイテーマは植物園と博物館巡り。それらが充実していたからだ。
植物園も、多くを回るよりも一ヶ所を春夏秋冬観たかったので、季節をかえて行った。イギリスの植物園は冬でも楽しめる🥶。植物園のそばに宿をとったこともあった。
私は現地のテレビ番組も楽しみだったりする。
スーパーや薬局での買い物も、必ずする。文字が読めなくても、書店に行く📚
名所旧跡の風景は忘れてしまっても、テレビ番組はいつまでも覚えていたりする。
そしてここ3年間、マイテーマは「いま限定」。
今まで外国人観光客で「密」だった、近場の名所ばかり行った。
築地場外市場に始まり、浅草、明治神宮、皇居、江ノ電、鎌倉、新倉山、高尾山…どこも近年は異常なほど外国人観光客が集まって、日本人の入る余地がなかったところだ。銀座や新宿などは、店の品揃えが違ってしまっていた。
大久保の「ドンキホーテ」も行った。今のうち😉
そろそろ外国人観光客が戻ってくる。
思い残しのないよう、日本を今のうちに楽しみましょう。
私は来月、富士山に行きます🗻
(閑散とした浅草)
(ガラガラの湘南。あちらに見えるのは江ノ島。)
⭐️全て「緊急事態宣言(自粛要請)」期間外に一人で出かけて撮影しました。