嗜好や価値観の違う人間と一つ屋根の下に住むことは自分の人生の幅を広げてくれる。
…ということを、父との生活で実感した。
例えば、夕食時のテレビも、自分では選ばないような番組をたくさん見た(見させられた)。
拳闘や戦争映画はノーモアサンキューだけど、昭和歌謡や「寅さん」シリーズ、お正月の大学駅伝は私の人生の肥やしとなった。
今でもよく覚えている番組は、「クイズ・ミリオネアー」と「鳥人間コンテスト」だ。
「クイズ…」は、視聴者参加のクイズ番組が激減する中、最後の光を放ったような番組で、“みのもんた” のアクの強いキャラを生かした司会は、オリジナルの英国版よりずっと面白かった…と私は思う。
「鳥人間コンテスト」は正式なタイトルかどうかは不明だけれど、個人や団体が手作りの飛行機の飛距離/飛行時間を競う番組だった。
飛行機は、助走だけで飛ばすものから人間が中で操縦するものまで、よく覚えていないが3種目あったと思う。
私が見た時点ですでに何回か開催されており、出演者も経験を積んで、かなりの長距離/長時間フライトを達成するものもあった。
放送もかなりの長時間だったが、父も私も釘付けになった。
10月から始まったNHKの朝ドラに現在描かれているのが、このような人力飛行機に夢中になっている人たちだ。
実際のコンテスト・チャンピオンに取材をしていると聞いた。
あの出場者たちにはこんな血と汗のドラマがあったのか…などと思いながら、朝食を食べていたりする。
だからこそ成功・失敗があれほどの感動をよび、私たちをテレビに釘付けにしたのだろう。
飛行機は人間を夢中にさせる…らしい✈️
私より年上の人たちは概ね、飛行機に初めて乗ったときのことを覚えていると思う。
地上から浮き上がった感じ、街を、雲を下に見る体験、着陸した瞬間のズシンとした感覚と安堵。
そして何より、離れた土地に早く到着できる💨
あの祖母にしても、初JAL搭乗後「悪くないねぇ(祖母的にベリーグッドという意味である)」と笑顔いっぱいだった😄
さて私のもう一人の祖父も「鳥人間」であった。しかも大正時代(14年)に、はるばる欧州まで「渡り」をした🦅
当時、飛行機の性能は今より低く、墜落の不安は今よりずっとずっとずっとずっと大きかったのではないかと思うが、空を飛んでいる高揚感もひとしおだったのではないかと思う。さすがに人力ではなかった。
機内食どころかトイレもエアコンもなかっただろうし、椅子の座り心地もどうだったか…😠
祖父について書かれたものは少なからずあるけれど、祖父が感想を綴ったものを読んだことはない。
生きていれば、質問攻めにしたいところだ。
今も生きていれば(ありえないけど)、朝ドラ📺を見ていただろうか。
いやその前に、「鳥人間コンテスト」に出たであろうか?
チャンピオン間違いなしだね、おじいちゃん❣️
《明治生まれの“ショーヘイ” おじいちゃん。「翔平」ではなかったけどね。》