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「ラスト・ソング」のその後

上を向いて測ろう 

以前に述べた健康増進事業では、負荷心電図と同じく年2回、肺活量測定も行っていた。

おそらく小学生の頃、鼻をつままれて口に変なものをくわえさせられて、息を吸って吐いた…でしょ⁉︎ アレです!

 

やられる方もイヤだけど、内気な人の多い検査技師、ナマの人間相手にその場で測定する生理検査(心電図・肺活量など)が好きという人はいなかった。

おまけに、お客さんと一緒に「ハァ〜〜〜😩」と、毎回深呼吸をしていると、結構つかれる。

 

我々はローテーションを組んで対処したが、年に数ヶ月は担当しなければならない。

それぞれに「自分だけの楽しみ」を作ってやり過ごしていたように思う。

 

例えば、SM主査の場合。

カレは非常に内向的だったが、美声だけが自慢だった。

誰も知らない館内マイクの使用法を習得し、カラオケ気分でお客さんを呼び出すのを密かに楽しんでいた🎤

 

そして私の場合。

お客さんの能力向上に尽力した。

と言っても、お客さんは40歳以上、平均70代のおじちゃんおばちゃんなので、心肺機能そのものを上げることはできない。

 

しかし、おじちゃんおばちゃんは、そのときそのときの結果に一喜一憂する。

前回より上昇したとしても、それは測定誤差や体調によるものであって、運動効果によるものではない。

それでも、おじちゃんおばちゃんは、前回より少しでも高い値を出そうと躍起になる。

中には「もう一回測って!」という人もいた。

過去の自分に負けたくない…んでしょう。

 

そこで私も、その手助けをしてみようと思ったのだ。

こちらはローテーションなので、このお客さんの前回・次回を担当するのは他の検査技師になる。

私が担当したときに「一番いい値」を出させてあげようと思った。

 

…ということで、長~い(?)試行錯誤の末に私が採用した方法は、「上を向いて測ろう」

つまり、測定するとき、お客さんの目線より少し上にぬいぐるみなどをかざして、「ここを見て」と言うだけ。

すると皆さん、前回よりビミョーにベターな結果となった❣️

 

人間は上を向くだけで、肺活量がちょこっと上がる。

些細な増加でも、これを日常的に行えば、肺活量の低下を遅らせることはできるかもしれない。

 

寒くなって背を丸めがちな今日この頃🐱

姿勢を良くすれば、酸素もたくさん取り込まれ、背筋腹筋が働いて代謝が上がり、身体が温まる…かもしれない。

 

そして肺活量を測るときは、シャキーン!と、上を見てください。