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「ラスト・ソング」のその後

憧れのヘルパーさん

父の介護中の贅沢と言えば、独身男性が週に2、3人、入れ替わり立ち替わり我が家に入ってきたことだ。おっさんもいたが、好みのタイプも、若者もいた。

車で送迎し、お風呂掃除までしてくれた…が、ドライバーやフットマンやバトラーなどではなく、父の入浴やリハビリや病院の送迎のためのヘルパーさん、介護用具レンタル会社の社員さんだったのがトホホだったけれど。

 

どうして独身だって分かったのかって?

それは女のカンというやつです。私は昔から、カノジョ(妻)のいる男子は識別できるのだ。

 

偶然だろうか、我が家に独身が集中したのは?

それとも、ケアマネさんの粋な計らいだったのだろうか???

 

シングルが多いのは昨今のトレンドかもしれないけれど、介護関係業も例外ではない。

親切で実直で、素晴らしい人ばっかり。腕力もあるし、何より気がきく。出会いの機会さえあればモテモテのはずだ。こういう人たちのDNAはじゃんじゃん増幅してほしいと思う。

 

介護関係の仕事は、いまひとつ地味だ。

看護師や保育士などは、昔から、子供が一度は憧れる職業だ。合コンの申し込みも多いようだったし、お見合いでもポイントが高かった。なによりイギリス王室にお嫁にいったダイアナ妃は保育士だったのだ。

 

仕事が大変なのは、医師も看護師も、保育士も警察官も、パイロットも客室乗務員も、スポーツ選手も同じだ。ただ、これらの職業には、メディアが作り上げたヒーローがいる。「カッコイイ!」と、若者を煽り立てるストーリーがあった。

 

ヘルパーさんが主役の映画やドラマができたりして、ヘルパーさんが、子供たちだけでなく、皆の憧れの職業になればいいのに。

 

「憧れてくれなくていいです」「モテようと思ってやっているわけではないし」と言われるかもしれない。(彼らは謙虚でもある。)

でも、私がかつて愛読していたスポ根漫画にあったのだ。

裾野を広げれば山は高くなる。山が高くなれば裾野が広がる…と。

 

スーパーヘルパーとか、ヘルパーコンテストとかができて、誰もがなりたくなるような職業になれば、お給料もアップするだろうし、良質のヘルパーさんが増えて日本の未来ももっと明るくなるのでは?

 

ともあれ、お世話になった皆様、お元気で仕事を続けて、私のときもよろしくお願いします。