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「ラスト・ソング」のその後

「神は、脳が作った」らしい

「神は、脳がつくった」という本を読んだ。

かねがね、世界中どこに行っても(おそらく)神様がいるのはどうしてだろうと思っていた。目に見えない存在なのに、(かつては)誰もが崇拝し、恐れていた。現代になって、神にまつわる物語が空想物語にすぎなかったと分かっても、知能の高い人たちが神々の世界を勉強し、探求し、多大な労力や財力を費やして神々の世界を維持しているのが不思議でならなかった。神を利用する人たちがいる一方で、神に翻弄されて、犯罪を犯す者もいる。地球上にたったひとつでも、「神の存在しない」文化とか文明ってないのだろうか?

神は人間にとって本能なのだろうか? 神を通さず、ありのままに現実を受け止めることってできないのだろうか?

そんな疑問に少しでもこたえてくれれば・・・と思って手に取った。

 

本の最初は脳科学だった。人間と他の類人猿の脳との違いが説明された。人間は類人猿とは世界の認知の仕方が違う。自己を認知できるようになった人は死を恐れた。死後の世界に対する恐れと、死者を夢に見たり、神秘体験をすることが結びつき、「霊」が存在するようになった。さらに、集団生活をするようになって上下関係のようなものが生まれると、霊の上位のものとして神が存在するようになった・・・というのが、私の理解したところです。違っているかもしれないけれど。

 

そう言われてみると、本に書いてあった経験は、無宗教(体面上は浄土宗です)の私でも、家族の死後に経験している。

例えば、死んだ家族に守られているという感覚。

「ラストソング」に書いたけれど、斎場の帰り、偶然停まってくれたタクシーは「父の霊が守ってくれた」おかげだと思った。12月に行ったイギリス旅行も、父から貰ったような気がした。

だけど、父を感じたのは正直それだけだった。夢にもあまり出てこない。

 

ただ、父を感じるヘンテコな瞬間はある。バレエのレッスン後、更衣室で綺麗な人の裸体に目が釘付けになってしまったとき、「キッレイだな」という声が私の後頭部の後ろから聞こえてくる気がしたのだ。

おとっつあん、頼むからそれはやめてケロ!