昔は町医者の数が今よりずっと多かった。
熱を出したときに罹ることができる町医者は数軒あり、うち一軒は、すぐに注射を打ってくれて治りが早いと言われていた💉
が、幼い私を、母がそこに連れて行ったことはなかった。
それからおよそ20年。
微生物学の授業で、いわゆる風邪の原因となる病原体と感染方法について習った。原因は実に様々なウイルスと細菌で、そのうちペニシリン注射が効くのはほんの一部だけだった。
母よ、あなたは正しかった❗️
シロウトの直感はときに専門知識を超越する。
さらに教授先生は宣った。
「風邪の感染の仕方は、完全にはわかっていないんですね」と。
鮮明に覚えているのは、当時頻繁に風邪をひいていた私にとって一番知りたかったことだったのに、期待を裏切られてガッカリしたからだ。
それからさらにおよそウン十年。
今や「風邪のうつり方」が解明された。
人類が風邪をひくようになって何万年。分からなかったのは、実験ができなかったからだと思う😷
ウイルスより大型で扱いやすい細菌の感染症ではいろいろなことがわかっているが、ウイルスは電子顕微鏡でやっと見える大きさで、数えることもできず、単体では存在できない。
さらに、実験で感染した人が重症化したり、別の人にうつすリスクを考えると安易に実験などできない。
また当初の新型コロナウイルスは、人によって無症状だったり、上気道感染で済んだり、肺にまで感染が及んだり、さらに血管にきてしまったりで、潜伏期間が一定しなかったため、疫学調査をしても誰からどうやってうつったのか分からなかった。
たとえ誰からもらったか分かっていても、それを人に、ましてや役所やメディアの回し者などに、言えなかった人も多かった。
現場で感染を体感している人にテレビ出演するヒマなどはなく、それが対策の暴走を助長した…かも🤔
かくして憶測が飛び交い、世界中が奇妙な「対策」で溢れた。
消毒液を頭から吹きかける…みたいな「珍対策」のVTRが次々流れても、方向性が間違っていない限りは「無意味」と否定されることはなかった。
この得体の知れないウイルスの場合、もしかしたらシロウトの直感が正しいかもしれないし😜
コロナが普通の風邪になり(上気道感染が主流となって潜伏期間が短くなり)、抗原検査キットが入手できるようになると、誰もが自らの経験から、また他人と情報交換することで、「風邪のうつり方」を学んだ🤧
感染に関して地球人はちょっとだけ賢くなった…と思いたい😊