私の住むところは「デリバリー困難区域」でもあった。
幹線道路と踏切に囲まれ、我が家のある区域だけ店が極度に少ない。
道路を渡るにはまず、階段なり坂道なりを上がってこなければならない。
蕎麦や寿司と言った店屋(テンヤ)物を配達するのは大抵バイクなので、階段は登れない。
さらに踏切は、最悪の場合10分ほど「開かず」になる。
近所には、踏切で待つくらいなら隣の駅まで行ったほうが早い…と、買い物に隣駅までチャリを飛ばす人もいるほどだ。
さて「店屋物」というものは、出来上がってから一刻も早く食べてほしいものがほとんどである🍣🍜🍛
「配達します」の看板を見て頼んでみると、「踏切のあっち側はダメ」とか「道路を渡る所は…」と渋い顔をされることが多かった。
…ということで、我が家が頼める「店屋物」屋さんは、本当、限られていたのよ。。
リリィさんに感謝❣️
祖母などは、もとから配達などしていないようなお店から「お取り寄せ」しちゃうこともあった。
どんな魔法を使ったのか、今でも謎である🧙♀️
さて、コロナのおかげでホームデリバリーが発達した。
店屋物屋さんは渋い顔をしても、デリバリー屋さんは配達してくれる。
自転車営業のデリ屋さんは小回りがきく…と言うより、土地勘のない人はアプリの地図を見ただけで、配達の困難さが想像できないのだろう。
ずうっと前になるが、帰宅してみると、玄関さきにレジ袋が置いてあった。
中から🍟の匂いがした。冷えていた。
「はて?」
推測するに、デリバリー屋さんの誤配だった。
昨今のデリ屋さんは非接触。相手を確かめることすらせず置いて帰ってしまうらしい😳
が、オーダー元も、正しい配達先も明記されておらず、さっぱりワケがわからない。
デリ屋がどこかもわからないし、とりあえずUE社を検索したが、電話が繋がらない。オーダーなど、全てスマホで行われるのだ。
逡巡すること1時間以上😮💨
どうにか連絡しようと、アプリをインストールして登録までしちゃったが無駄だった💧
結局、翌日、交番👮♂️に相談に行った。
勝手に処分して、後々トラブルになっても嫌だし。。。
親切なお巡りさんに「捨てていいですよ」とお墨付きを貰って処分したけれど、本来だったら美味しく食べられるはずの🍟をゴミにしてしまって、心が痛んだ。
注文者、🍟屋、デリ屋…私の見えないところで起こったであろうゴタゴタも然ることながら、時間手間を費やす羽目になった私も、とんだ被害者である😠
なんて不合理で、不気味なシステムなんだろう。。
話変わって、海外ミステリを多数翻訳出版されている「カリスマ翻訳家」がいた。
メールで近況をお尋ねするといつも「自転車操業です」とのお返事だった。
意味不明だったが、そのままにしておいた。
デリバリー屋さんの姿を見ることが多くなり、ひょっとして彼女の言う「自転車操業」とはこのことだろうか?…と、ロゴ入りの黒リュックを背負って自転車を運転する彼女の姿を妄想したりした🚲
それにしても、似合わなさすぎる🤔
…と、「自転車操業」の意味を調べて、自分の勘違いに気がついた。
「停止すれば倒産することを、ペダルを踏みつづけなければ倒れてしまう自転車にたとえたもの」だそうだ。
要するに「超忙しい」と言いたかったらしい。
自転車 “営業” と自転車 “操業” はまったく別物…だったのです❗️