検診の話を書いていたら、いろいろなことを思い出しちゃった❗️
参考になることもあろうかと思うので、ひとつ書いてみます。
私の職場では、午前中は企業の集団検診を中心とした一般検診、午後は区民向けの検診をしていた。
どちらも健康人として生活をしている人たちが対象だったが、何かの異常が見つかることもあった。
結果は通常1週間後に渡されたが、大きな異常と思われる場合は、結果が分かり次第、課長からご本人に「緊急連絡」させていただいた。
年に数件あったと思うが、これはその一件のお話。
集団検診でいらした、20〜30代の男性だったと思う。
肝機能を示す値が異常値を示し、緊急連絡し、本人に出向いていただいた。前回、前々回の値は正常。自覚症状はないと言う。
課長が調査して、後日参考資料として回ってきたのだが、フィットネスクラブで購入した筋肉増強サプリメントによるものらしく、外国では健康被害が多発していた。
成分名を聞くと、身体に悪そうなものでは決してなかった。私がもし彼の立場で、トレーナーに勧められたら服用していたかもしれない。
最近話題になっているワクチンの有害事象もそうだけど、一般に健康が害された場合、原因物質を特定するのは極めて困難だ。
肝臓や腎臓を害する物質は私たちの身の回りに溢れている(脅かしてごめんなさい)。無味無臭のものも多く、暴露に気がつかないことのほうが多い。摂取/暴露後すぐに症状が現れるとも限らない。おだやかに思われていた物質の長期摂取や長期暴露の末に徐々に悪化していることも多い。
このサプリメントにたどり着くには、化学物質についての膨大な知識だけではなく、まだインターネットの普及していなかった時代、普段から情報に敏感でなければならなかった。
また、サプリメントや食品など、美容健康のために使用している場合は本人の意識にのぼってこないこともあるので、たくみに聞き出すコミュニケーション力も必要かもしれない。
サプリメントは医薬品ではないので十分な検証がなされていないことも多く、摂取量の規定も制限もないため、効果を期待して大量に摂取されることもある(フツーに店頭販売されているものを適量摂取するのであれば大丈夫です)。
ちなみに課長は、今、コロナでテレビによく登場される「公衆衛生医」で、公衆衛生専門の医師はもちろん、優秀でありながら子沢山などの理由で臨床から離れられた医師も多かったように思う。
“健康のため” にやったことが、ときとして健康を蝕んでいることもある。
食品でも、身体に良いから…と言って食べすぎれば悪影響が出ることもある。
“何かを摂ったから” 筋肉がついたり、若返ったりすることはないのです。
そしてコロナが流行っていても検診は受けてください。