子供の頃、風邪をひいて咳が止まらなくなった。
母が、「水を飲まないで、喉にくっつけるように飲みなさい」と言いながら、ヘンな匂いのする粉末をほんの少し口に入れてくれた。
その通りにすると、咳はピタリと止まった。
以来、風邪を引くことの多い私にとって、「龍角散」は生涯の伴侶(大袈裟?)となった。
中学、高校、大学…授業中に飲んでも咎められることはなかった。電車の中では飲めなかったが。
先日、例の咳のひどい風邪を引いたので買いに行ったっところ、「メーカー欠品」と言われた。
どこの店に行っても棚は空っぽだった。人生で一番必要としているときかもしれないのに😥
仕方なしに「龍角散ダイレクト」というのを買ってきた。
が、有効成分の量も種類も多いらしいのに、今ひとつ効いた気がしない。
やっぱりあの薬臭さと「微粉末」…かしらね🤔
そして先日ようやく、店に置いてあるのを見つけたので買ってきた。
やれやれ、ひと安心😮💨
咳に悩まされてきた私の半生は、喉の民間薬なしに語れない。
医薬品では作用が強すぎ、作用のおだやかな薬は効かない😓
咽頭痛がピタリと治る薬も、…ない😥
民間薬でやり過ごすしかないのだ。
「浅田飴」も「医薬部外品」なので、これも学校に持ち込んで授業中に堂々と舐めていた。
そうしないといられないくらい、喉、痛かったんだもの😷
当時は砂糖を使っていたので、いっぱい食べると気持ちが悪くなることもあった。
どちらも100年を超える、人気商品。
浅田飴は当初、水飴に生薬を入れたものだったらしい。私の幼少時にもあったようだけど、私は飴ちゃんタイプしか舐めたことがなかった(舐めてみたかった)。
製薬会社の人に聞くと、最近は、漢方薬の原料の生薬が危機的状況にあるらしい。
龍角散に限らず、日本の漢方薬は全てメイド・イン・ジャパンだが、原料は輸入に頼らざるを得ない。
特に、殆どの漢方薬に含まれている甘草は中国産に限る。我が国でも栽培しようとしているが、品質の良いものがなかなか作れない…そうだ。
そういう状況を知ってか、お隣の国は原料生薬の値段を釣り上げてきた。
それだけでなく、自国の薬を優先するため、輸出量も下げようとしている…らしい。
(なので最近、漢方薬も値上がりしています。)
さらに、異常気象が生育に影響を及ぼすのは農作物だけでなく、やがては生薬にも及び、将来的には漢方薬の入手も難しくなるかもしれない。
植物は人類がいなくても繁栄するが、文字通り、人類は植物なくしては1日も生きられないのだ🪴