Last Song Latest

「ラスト・ソング」のその後

子泣き爺

f:id:auntmee:20191207100731j:plain


夕方、NHKの朝ドラ「ゲゲゲの女房」の再放送をしている。

二度見るものでもなし…と思っていたけれど、結局楽しみに見てしまっている。

 

「ラスト・ソング」にも書いた通り、このドラマの主題歌「ありがとう」(by いきものがかり)は父と私のラスト・ソングだ。

 

2010年、父はこのドラマに、そして水木しげるに夢中になった。

私も、このドラマは大好きだった。本当の話をモデルにしたストーリーも面白かったし、過剰な演出もなく、素直に楽しめた。

ドラマ化に際して水木しげるさんのインタビューや人生物語も放送され、父は、ユーモラスで飾り気のない、大きな人柄、そして生命力の強さの虜になり、さらに水木しげるさんの描く妖怪たちのファンになった。

水木しげるさんの描いた戦記マンガを買い込み、「ゲゲゲ展」というのに足を運んで妖怪の絵葉書やらクリアファイルやらを買い集め、真似して絵を描いて楽しんでいた。

 

不器用だったが、マンガの模写だけは得意だった父は、妖怪の模写も(異常なほど)上手だった。実は、父の描いた「子泣き爺」を「ラスト・ソング」のイラストとして使おうと思ったのだが、あまりにもよく描けており、水木しげるさんの描いたものに酷似していたため、出版社からNGを出されてしまったのだ。

 

この「子泣き爺」のイラストは父も大いに気に入っていたので、最後の入院のとき、私はベッドサイドに貼り付けてみた。

元気なときは思ったことがなかったが、ベッドに臥せている父は「子泣き爺」そっくりになっていた。

そう思ったのは私だけではないようで、理学療法士のお兄ちゃんなど、そんなに笑わなくても…と思うほど笑いこけたので、剥がして持って帰ってきた。看護師さんやお医者さんたちも笑いを堪えるのに必死だったに違いない。

翌日、「鬼太郎」のイラストに貼り替えた。

 

ドラマも、いよいよ終盤。

最初は、気がついたときだけ、見られるときだけ見ていたのだが、ある日、ドラマの時間に家を空けて帰ってきたら、警備会社から「センサーが作動してました」と連絡があった。ドアや窓が開いたわけではなく、家の中で何かが動いたらしい。センサーの作動した時間を見てびっくり。「ゲゲゲの女房」の始まる時間だったのだ。

 

さては、娘がテレビをつけてくれないので、仏壇から出てきたか⁉︎ (本ブログ 6/23「夢見たソファ」)うっかり出てきてセンサーに引っかかるなんて、いかにも父がやらかしそうだ。

…ということで、その時間に家をあけるときは録画をしておいて、帰ってきてから、仏様にお声掛けして見ることにしている。