Last Song Latest

「ラスト・ソング」のその後

アマビエのご利益

新型コロナウイルスの致死率が日本で低い理由が、あれこれ論じられている。

キレイ好きな生活様式、BCG接種率の高さ、遺伝的要因、1月までの他のウイルス感染の影響…etc。

日本人はキレイ好きとの自覚があるが、本当にそうだろうか。

 

前にも書いた通り、私は国際人とは程遠い。私の海外経験なんて日数を数えれば数えられるくらい。それも殆どが旅行なので偉そうなことは言えないけど、ちょっとお付き合いを。

 

スイス人の友人の家に泊まったときのことだ。

友人が食事の準備をするというので、私も手伝いにキッチンに入った。友人は、食器カゴに入っているお皿を布巾で拭いていた。

手を洗い終わった私、手拭きタオルは何処かと尋ねた私に、彼女は今までお皿を拭いていた布巾を渡してくれた。

 

どうやら、台所で「拭く」ものは全て、同じ布で拭いているらしかった😱

 

日本では、おそらくどの家でも、手を拭くものと食器を拭く布は分けているはずだ。調理実習のとき、ポケットからハンカチを出して食器を拭いたら後ろ指をさされるだろう。

 

彼女はズボラとは程遠い。家はとっても清潔で整頓されていたし、台所も、汚れも匂いもなかった。洗濯物は、パンツやTシャツまで、丁寧にアイロンをかけていた。

食器も手もキレイに洗ったあとであれば、布を分ける必要がない…という発想なのだろう。同じ布で拭く以上、徹底的に手を洗わなければならないのだから、かえって清潔なのかもしれない。

 

日本に洋式便座が現れたのは高度経済成長期、私が物心ついた頃だ。

デパートなどの施設では各フロアに1個だけあるという感じだったが、他の個室に行列ができていてもそこだけは空いていた。そこの便器を見たときの、幼い私の驚きといったら!

あそこでどうやって用を足すのか、不思議だった。

当時の海外旅行帰りの人たちにも、あの上に乗っかったとか、反対向きにまたがったとか、様々な奇談、笑い話が盛り上がっていた。

 

普及してからでも、便座シートや除菌シートが備え付けられているところが多かった。他人がお尻をくっつけたところに座るなんて気持ちが悪い…というのが日本人共通の率直な意見だった。

 

日本では、トイレは生活空間と区切られていることが多い。かつては必ず、スリッパや「便所下駄」に履き替えていた(あの下駄、履きづらかったっけ)。

一方、ヨーロッパでお城を訪れると、高貴な方が使用したオマルが展示されていることもある。皆さん、ドレスを着たまま部屋の中でやっていたのだ。…となると、やはり腰掛け式が便利なのだろう。日本ほどの高温多湿にならないから、蓋をしておけば臭いも気にならなかったのかもしれない。

ちなみに私は今でも、トイレを「bath room」と呼ぶのに馴染めない。相手が言っているのは理解できるが、自分から、レストランで「バスルーム行ってくるね」とは言う気になれないのだ。

 

日本人はティッシュをよく使う…と思う。

外国人は、街中でも、人目を憚らず音をさせて鼻をかむ。大きな音にギョッとして見ると、ポケットから取り出したクシャクシャなハンカチで無造作に鼻をかみ、そのハンカチをまたポケットに戻していたりする。あれをきっと一日繰り返し、1日の終わりに(もしかしたら数日後に)洗濯機に放り込むのだろう。袖口で鼻や口を拭いている姿もよく目にする。

これは、日本のあちこちで広告付きのティッシュが配られていたからだろうか。外国でティッシュを買いに行ったとき、使うのに勿体ないティッシュが、使うのに勿体ない値段で売られていたことがあった。

 

日本人はキレイ好き、だからコロナの致死率が低いというのは短絡的すぎる…と私は思う。

 

日本人の重症化率や致死率が低いのは、アマビエの御利益だと私は(真面目に)思う。

実際、日本人は地震の備えばかりしていて、感染症に対して何一つと言ってもいいくらい備えていなかった。検査数も少ないし、対策も脆弱。ちょっと自粛しただけで疲れてノコノコ出てきちゃうし、ステイホーム抜け出してパチンコ屋の前に列を作ったり。これで抑えられたのは、御利益以外に何があろう?

 

しかしこれから先も神様が守ってくれるかどうか。

日本人の抗体保有率は思ったより低く、集団免疫が超脆弱なことが分かった。

まずはアマビエ様にお礼参りを!

f:id:auntmee:20200426085804j:plain

アマビエさま