Last Song Latest

「ラスト・ソング」のその後

「トーメン」とはどれくらい?

「当面の間休業いたします」「当面自粛します」の張り紙が次々消えている。

 

「当面」ってどのくらいだろ?…と思っていたが、どうやら花が散って実になるくらいの期間だったらしい。公園の桜の花がさくらんぼになっていた。

 

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当初は「当面」が終われば全て元どおりになると、誰もが信じていた…だろう。

第2波は来るとしても、1年も経てばオリンピックはできると、疑わなかった。

でも、どうやらそうはいかなさそうなことに、皆、気がついてきた。

 

「当面」マスクなしでは、社会生活は営めないだろう。

レジ回りのビニールシートは「当面」外れそうもない。

デパートのイベントやバーゲンセールも「当面」ないだろう (*_*)

スポーツや劇場イベントも「当面」無観客、ライブハウスは「当面」営業できないらしい。

 

新たに生じた「当面」とはいつだろう?

花の後にできた実が土に落ちて芽をだす頃だろうか?

それとも、それが再び花をつける頃か?

 

専門家は言う「ワクチンができるまで」と。

「ワクチンができればオリンピックはできる」と。

では、いつできるのか?

 

ワクチン開発は、ウイルスが武漢で猛威を奮っていた頃から始まっていた。5月末時点で125種ものワクチンが開発途上にある。治験に入ったワクチンも少なからずあり、効果をほのめかすようなニュースもあった。

ワクチンは、治療薬と異なり、製法がある程度決まっている。他のウイルスに対するワクチンがたくさん製造されており、同様に作ればよいのだ。

 

じゃあ、そうすればいいじゃない?

125種も開発されているなら、どんなにすべったって1つや2つはもうすぐできるでしょ?

 

だけど、ワクチンはそう簡単には作れないのだ。

できたワクチンが病気(副作用)を引き起こさずに、誰に対しても、まだ罹ったことのないウイルスに罹らなくする効果があるかどうかを調べなければならない。これがものすごい手間なのだ。

そうしてできたとしても、工業的に作れる治療薬と違って、生物学的な製法で作らなければならないので、ものすごく時間がかかる。たとえアメリカで有効なワクチンができたとして、それが世界中に行き届くには何年もかかるだろう。アメリカは、中国への対抗上、ワクチンを国外に出さないこともある。中国で開発されても同じかもしれない。

 

そもそも、このウイルスに対して有効なワクチンができるのかとの疑問さえある。

 

な〜んでか?

答えは複数ある。できた抗体自体が病気を引き起こす可能性があるから…というのもある。

それから、コロナウイルスが「変異」の達人だから…というのもある。

 

前にも書いた通り、コロナウイルスは「RNAウイルス」とも呼ばれ、RNAを遺伝情報として使用する。ちなみに人間を始め多くの生物は、遺伝情報としてDNAを使用している。DNAの方が安定していて変異しにくい。おかげで人間は何万年も姿が変わっていない。

RNAは遺伝情報のミスコピーが多い。そのおかげで、RNAを使用しているものは頻繁に姿を変えることができる。姿を変えられると、人間の免疫機能に引っ掛からなくなることもある。

 

RNAを使用するコロナウイルスは、コロコロ変異する。

武漢で生まれて半年も経っていないのに、わかっているだけでもすでに5000もの変異株が世に出回っているという。そもそも新型コロナウイルス自体が、SARSウイルスの変異体なのだ。

よって、折角ワクチンができても、出回った頃にウイルスの免疫性が変わっていた…ということだってあり得る。

 

天然痘がワクチンで撲滅できたのは、殆ど変異しないからだ。

インフルエンザは頻繁に変異するから、毎年ワクチンを打たなければならない。しかも獲得された免疫は長続きしない。それでもワクチンができるだけマシなのかもしれない。

 

そう考えると、なんとも厄介なウイルスが流行ってしまったことだろう…。

 

が、ウイルスの変異は良いほうにも考えられる。

ウイルスの変異はRNA鎖のどこに起こるかは分からない。免疫に関わるところに起こるかもしれないし、毒性の部分が変異することだってある。

例えば、ウイルスに罹患した人が次から次へと死んでしまってはウイルスも一緒に葬られてしまう。毒性の弱いウイルスほど世の中に繁栄する…といった構図で、毒性は弱まることが多い。

 

毒性を弱めるために、人間側から働きかけることもできる。

感染した人、特に症状のある人を積極的に隔離して、それ以上うつらないようにすることだ。

そうすれば、毒性の強い変異株ができたとしても世の中に出回るチャンスをなくすことができる。

毒性の全くないウイルスならになば、世界中の人に感染しても誰も文句を言わない。ウイルスにとっても都合が良い。

 

神様に手を合わせる時も、「コロナが収束しますように」と漠然と祈るより、「コロナが弱毒化しますように」と、具体的に願掛けした方が神様にも分かりやすいかも…?

 

「当面」はまだまだ当面続くことになりそうだ。

でも「永久」にはならない…でほしい。

 

来年のさくらんぼの季節は、マスクなしで迎えたいですね。