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「ラスト・ソング」のその後

バレンタインデーの思い出

会社員1年生の1月、私は先輩(女)とミュージカル映画を見に行った。今はなき東急文化会館に入っていた映画館だった。

帰り道、渋谷駅につながる通路がグラグラと大きく揺れているように感じた。

家に帰ってから私は3日ほど、高熱に浮かされて眠り続けた。起き上がるのも、水を飲むのも気持ちが悪かった。体の節々が痛み、足に得体の知れないものが乗っかっている夢を見た。

 

4日目くらいになって少しだけ熱が下がったので、母に付き添ってもらって近くの医院へ行き、水分補給の点滴をしてもらった。それから快方に向かったが、落ちるところまで落ちた体力が戻るのに時間がかかった。

発病が1月31日、会社に行った(行けた)のが2月12日。当時のOLは義理チョコも大切な儀式となっており、まだフラフラする足取りでデパ地下に寄って、”義理チョコ” を手当たり次第に買いあさった。

今日、チョコに群がる女子たちを見て、このビターな思い出が軽くフラッシュバックした。

 

まだタミフルも診断キットも登場する前だったが、明らかにインフルエンザだった。

インフルとはあれほどにも激しいものかと思った。

なので、その後引く風邪はインフルではないのだと思い込んでいた。

 

が、インフルの検査が簡単にできるようになると、「普通の風邪」と思っていた症状もインフルであったらしいことも分かってきた。軽い鼻風邪で医者に行ったらインフルと言われた、という人もいた。

インフルの場合は特に、感染者の免疫力も症状の決め手となるらしい。

「馬鹿は風邪ひかない」と言われるが、馬鹿というのは免疫力が強靭な人のことだ。免疫力は筋力とは関係ないようで、スポーツ選手でもインフルにはなる。

ずっと「馬鹿」を通してきた父も、「ラスト・ソング」に書いた通り、免疫力が落ちたときは重症化した。

 

エボラウイルスなどは、おそらく宿主の免疫力はあまり問わず、感染者は一様に重篤な症状を呈する。ノロウイルスのような消化管に感染するウイルスは、よく知らないけど、ウイルス量が関係するようでもある。

いっぽう、今回Covid-19などとオシャレな名前をもらって得意顔の新型コロナウイルスは、インフル同様、免疫力とのバランスで発症するのではないだろうか。気道粘膜の免疫には個人差が大きいのかもしれない。

 

多少のウイルスが気道粘膜に付着しても、免疫力が強ければ軽症ですむ、または発症しない。

免疫力があっても、多量のウイルスが肺の奥深くに入り込んでしまうと発症する。

免疫力が落ちていると、少量のウイルスがポチッとついただけで重症化する。

 

おそらく武漢のアウト・ブレイクは、出回っているウイルス量が多いからだろう。もしかしたら肺炎球菌やインフルウイルスがお手伝いしている可能性もある。

(これは私の意見にすぎないけれど、あれだけの数の患者に悠長な検査をしているとも思えないので、混合感染があってもわからない、でしょ?)

日本では軽症者が多く、無症状者の報告もあるが、これは多分、武漢では軽症者、無症状者は調べないからだろう。実際、バス運転手さんに伝播させた観光客は、日本では終始無症状だったらしい。

 

ということは、日本にはすでに無症状キャリアがかなりいるのではないだろうか。今のところ、無症状キャリア(私かもしれないし、あなたかもしれない)は、肺炎という形に発症していないだけなのだ。「今年の風邪は咳がしつこくて…」と言っている人、お近くにいませんか?

 

私は、バスの運転手さんが感染したときにこう考えたのだが、アームチェア・サイエンティストを気取るおばちゃんごときが考えることを専門家の方々が考えないはずがない。最近は、そういう意見をあちこちで耳にする。

クルーズ船の乗客を留め置く必要はなかったのではないか…とさえ言われている。今更そんなこと言われても…という感じだけれど、正論というものは後になってから出てくるものだ。このような性質を持ったウイルスを水際で食い止めようとすること自体、無理なのかもしれない。鎖国をしたって、入って来るものは入って来る。

 

だとすると、検査、検査と言うよりも、治療法の開発のほうがが急務ではないか。

隔離、隔離と叫ぶより、自分の免疫力を高めることが大切ではないか。

 

ということで、免疫力強化法について、別ブログ(↓第88話 ミーおばさんの知恵袋)をご参照ください。

https://auntmee.hatenadiary.jp